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アート芸術系4コマ漫画「美観の人々」と童画 秋野あかね美術館

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「アリは、左の二番目の足から歩いてデモをする」

 みなさんは、アリは、 左足の二番目の足から歩き出すって知っていましたか? 

 これは、有名な画家の「熊谷守一」さんが 何年もアリをじっと観察していて発見したそうなんです。 

 熊谷守一?と言う方もいらっしゃるかも知れませんが、 最近(2018)「モリのいるばしょ」と言う映画にも成ったので 映画や画の好きな方ならご存知の方も多いかも知れませんね。 

 私は、このことを知ってから暫くは アリが歩いているのを見つけると、しゃがみこんで観察してみたんです。

 本当に、アリは 左足の二番目の足から歩き出すのかと思ってです。

 そうしたら、暖かい時期のアリは歩くのが結構早いんです。 

 そして、急に止まって、また急に歩き出すから、とてもじゃないですが二三分見たぐらいじゃ 一体どの足から歩き出すのかが分からないんですね。 

 そして、私は思ったんです。

 守一さんは、本当に何年も、何年も それも地べたに這いつくばって目の前を歩いていくアリを じっと見ていて、そのことに気づいたのだろうなと。

 みなさんは、この守一さんのことを、なんて無駄な事をと思うか、暇人だなと思うか、 どうでしょうかね? 

 守一さんは、晩年の30年間ぐらいは自宅の庭以外は、一歩も自宅からは出なかったそうなんです。 

 そして、その間は庭にやって来る 動物や鳥や昆虫を観察して過ごしたそうなんですね。

 その観察した動物や昆虫などが、画に成り言葉と成りして残って居るわけで、その画や言葉を見たり読んだりした人たちが、また動物や昆虫に興味を持つ。

 それだけで私は、守一さんは、大変人々の好奇心を呼び覚ます立派な事をおこなっていたのだな思いますので私は無駄とも暇だったとも思わないです。 

  そして、守一さんの有名な写真で、カラスが 頭に止まって髪の毛を引っ張っている写真が有ります。

 カラスは、守一さんの髪の毛の事を 「おっ、なんか旨そうなエサがあるな。 

 これは、焼きそばかな、それともイカ墨パスタかな」 なんて思って、つついている訳では無いでしょうが。 

 カラスが、そこまでなつくって凄くないですか? 

 きっと野生のカラスが、いつも庭でじっとして何時間も何かを観察している守一さんの事を、 近づいても安心な人間だなと認識しているからの事だと思うのです。

 カラスは、たいていの人は嫌いますから、いつも人間には追い払われて警戒しているはずなんです。 

 しかし、それがここまでなついて、まるで友達どうしが遊んでいるように私には見えました。 

 アリのエピソードや、カラスとの関係を見ても、守一さんが、昆虫や生き物に対してどの様な考えや接し方をしてきた人なのかが分かりますね。

 そうすると、守一さんの、いっけん単純で簡単に 描いた子供の絵のように見える画が、実は守一さんが何十年もかけて見て接して考えてきた結晶であるのが分かると思うのです。

 またアリの話に戻りますと、 最近はなにかアリも害虫扱いをされているようなんですね。

  確かに最近はヒアリ騒動などあって大変でしたが、それ以外のアリ。

  たとえば、昔から家の庭などにいる黒いアリですね。

 あの黒いアリは人間に何か害を与えているのでしょうか?

 よく、庭の隅などで干からびたミミズとかを、皆で力を合わせて一生懸命引っ張ったりして巣穴へ持って帰り庭をキレイにかたずけてくれていますよね。

 私は、害虫と言うよりもむしろ庭をお掃除てくれている 益虫なのではないかと思うんです。

 あっ、それから、この「害虫とか害獣、害鳥」とか言う言葉も、私は好きではないんですね。

 それって、すべて人間にとってという事で、かってに人間が人間中心に考えられて使っているだけの言葉であって、地球って人間だけのモノではないでしょうって、私は思うんです。

 だから、これらの言葉は私は嫌いなんです。 

 きっと、アリが人間から害虫だと呼ばれている事をしったら、 怒るんじゃないかなと思うんですね。 

 「なんだと、俺たちが害虫だと! 君たち人間は、いったい何様のつもりなんだ、ええい、この桜吹雪が見に入らんかーー」 と言って遠山の金さんのようにもろ肌脱いで見せるかどうかは。

 分からないですけど、兎に角、怒ると思うんですよね。 

 勝手に人間の考えを押し付けてとアリがデモするかもしれませんね。

 「アリに人間の考えを押し付けるなー。 害虫扱いをして俺たちを殺すなーー]といってね。

 そして、その時、アリたちが踏み出す足は、きっと、みんな一緒に左の二番目の足なんですよ。